(c)イメージファクトリー・アイエム
▼香月秀之オフィシャルサイトへ
本作でデビューした香月秀之監督の公式サイト
▼STRAYDOGへ
脚本家・森岡利行が主宰する劇団の公式サイト
DVD版(販売:ウエストブリッジ) |
|
●INTRODUCTION
「イミグレイション!」蜘蛛の巣を蹴散らすように逃げる外国人を次々と捕えていく辰巳陽一(陣内孝則)は、入国管理局で不法滞在者を摘発する通称・入管Gメン。3年前、病気の娘の臨終に公務で立ち会えなかったことが元で、妻・美奈子(南野陽子)とは離婚していた。 ある夜、辰巳は悪徳クラブ摘発のため客として潜入、クラブのママである林光蘭(李丹)と偶然再会する。5年前に不法滞在で強制送還させた彼女は、大量の偽造パスポート製造の黒幕である華僑・郭源明(木村栄)の愛人であり、横川(本田博太郎)という日本人と偽装結婚していた。台湾にいる郭の仲間・周(石橋蓮司)に娘を人質にされているため、光蘭も組織の仕事の片棒を担がされていたのだ。 光蘭が事件の鍵を握っていると踏んだ辰巳は彼女をマークし始めるが、別れた妻の姿を投影して、次第に彼女に惹かれていく。郭から辰巳の動きを見張るように言われていた光蘭もまた、辰巳に惹かれ始めていた。そして光蘭からの情報をもとに辰巳は偽造工場に踏み込むが、証拠は何も得られなかった…。 そんな折、光蘭に娘が病気で死にかけているという電話が入る。光蘭は横川に助けを求めるが取り合ってもらえず、逆に偽造パスポートの件で口止め料を要求されてしまう。それを知った郭は、女殺し屋・王嘉玲(森みつえ)に光蘭の変装をさせ、横川の始末を命じた。 車に撥ねられたが一命を取り留めた横川は、光蘭に撥ねられたと辰巳に訴える。嘉玲に自身も命を狙われ、嘉玲が光蘭に変装していたことを知った辰巳は郭のもとへと急いだ。だが、辰巳が到着した時には、すでに光蘭が郭と周を射殺してしまった後だった。 辰巳は光蘭を逃すため羽田へと向かうが、光蘭が国外へ脱出しようとしたその時、横川が放った銃弾に光蘭の体は崩れ落ちていた…。
入国管理官と裏社会の闘いを背景に男と女の運命的な愛を描いたハード・ロマン『不法滞在』は、国際化の波にさらされるボーダーレス時代に相応しいアクチュアリティに満ちた問題作。法務省入国管理局員=入管Gメンを真正面から取り上げるのは日本映画で初めて。
この素材をデビュー作に選んだ香月秀之監督は、20代は金融業に従事し裏社会にも通じていたという異色の経歴の持主。撮影前には果敢にも入管に一ヶ月の同行取材を敢行したという。
脚本は『われに撃つ用意あり』の丸内敏治、『鬼火』の森岡利行、安東郁、香月秀之の共同。主演は『ちょうちん』の陣内孝則。そして、陣内との大胆なベッド・シーンも話題になったヒロインは日大留学後女優の道を進み本作が初の大役となった李丹(リ・タン)。その後も『日本黒社会』などに出演している。
|