(c)イメージファクトリー・アイエム
DVD版(販売:ウエストブリッジ) |
|
●INTRODUCTION
東京は下町・深川。由緒あるこの地のトビ職人や住民たちから小頭として慕われる、石神新三(世良公則)。彼は任侠ヤクザとしてならした父を幼い頃に抗争で亡くし、若い頃はどうにも手のつけられない暴れ者だった。その頃に彫った「不動明王」の刺青から「不動の新三」と呼ばれ、恐れられていた。 だが今では、父の親友でトビ職人の組頭・辰巳仙吉(菅原文太)に育てられ、ごく普通の堅気の生活をしていた。そんな彼が住む長屋の地主・藤川正明(山口仁)がある日、株投資に失敗し多額の負債を抱えてしまう。その裏には東京進出を狙う関西系暴力団・阿久津組が動いていた。組長の阿久津征二(中尾彬)は昔、仙吉と斬り合った、因縁めいた仲だった。 藤川は長屋などの自分の土地の権利書を阿久津に奪われ自殺する。しかし、残された彼の妻・夕子(中村久美)は、老舗の木材店や家屋敷、そして長年面倒をみてきた長屋住民のために、阿久津たちの横暴に対して一人抵抗を試みていた。 ずっと憧れていた夕子を助けたくても、背中の「不動明王」に誓った「絶対に喧嘩をしない」という封印を破るわけにはいかない…。そんな新三の前に、仙吉の家出息子でヤクザ者の祐吉(内藤剛志)が現れた。彼は地上げ工作で阿久津に送り込まれた刺客だった。 幼い頃は喧嘩仲間だった新三と祐吉。だが、仙吉と新三の関係を妬んだ祐吉は、二人を恨みつつ町を飛び出していた。そして今、長年の恨みを晴らそうと、阿久津の命を受けて舞い戻ったのだ。祐吉に挑発されても、頑としてそれに応じない新三。阿久津はトビ職人や住民たちを、放火・リンチ・殺人で、恐怖のどん底に叩き落としていく。 一連の紛争に終止符を打つべく、自らの土地権利書と夕子のそれとを交換に行った仙吉が刺されたことで、新三の我慢も遂に限界を超えた。新三は父の形見のドスを握り締めると、単身阿久津の事務所に乗り込んで行く。ところが、その行く手にまた、祐吉が現れた。 二人で昔よく喧嘩したことを思い出した祐吉は阿久津を裏切り、新三と共に斬り込みをかけることにしたのだ。二人は死闘の末、阿久津を倒すことに成功する。しかし、既に次の瞬間には二人の決着をつける因縁の戦いが始まろうとしていた…。
男の美学は、命果てても 仁王立ち…。「本格派仁侠映画」の復活を告げる力作としてマスコミ等でも称賛された気鋭・福岡芳穂監督(『けんか屋』 )の暴力アクション映画。原作は吉川潮の任侠短編集『平成残侠伝・斬り込み』の中の一編「不動の新三」。 主演は『極道の妻たち』の世良公則。『仁義なき戦い』の菅原文太、『幻の光』の内藤剛志、中尾彬らが脇を固めている。
|